消費税の簡易課税による節税対策と過誤事例
2014-05-23
Q:
当社(A社)は3月決算なのですが、平成25年3月にB社と合併し、合併直後の3月に多額の設備投資を実施する予定です。当社はここ数年売上高が低く、H25年3月期の基準期間における課税売上高は1,000万円以下です。また、過去に節税対策として簡易課税制度選択届出書を提出しておりました。
なお、被合併法人であるB社の当該基準期間における課税売上高は1,000万円超です。
このような場合、消費税の節税の観点からどのような対策が必要となりますでしょうか。
A:
合併事業年度で原則課税の適用による消費税の節税を検討すべきと考えます。平成25年3月に多額の設備投資を実施する予定とのことですが、当該設備投資により消費税が還付申告等になるようであれば、原則課税と簡易課税を継続する場合のそれぞれのケースの消費税額を試算の上、有利な課税方法を検討することとなります。
このケースの場合、過去に提出した簡易課税制度選択届出書に注意が必要です。合併法を行った日の属する課税期間の納税義務の有無は、合併法人の基準期間における課税売上高または被合併法人の当該基準期間に対応する期間における課税売上高のうち、いずれかが1,000万円を超えているか否かにより判定します。しかし、簡易課税制度の定期用の有無は、合併法人の基準期間における課税売上高のみによって判定します。
そのため、特に不適用届出書等を提出しない場合には、合併事業年度は簡易課税が適用され、設備投資による還付申告等が難しくなります。
(参照 平成26年5月15日 税理士会 税理士職業賠償責任保険の事故例)
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