災害に関連する主な法人税の規定

2016-09-02

本年は、熊本地震や台風10号に伴う大雨被害など、災害が多く発生しております。本日は災害などに関連する法人税の規定について記載いたします。

 

1.取引先に対する災害見舞金等

法人が、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程においてその取引先に対して行った災害見舞金の支出、事業用資産の供与等のために要した費用は、交際費等に該当しないものとして損金の額に算入されます。

(措通(法)61の4(1) -10の3)

 

2.取引先に対する売掛金等の免除等

法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として売掛金、貸付金等の債権を免除する場合には、その免除することによる損失は寄附金又は交際費等以外の費用として損金の額に算入されます。
また、既契約のリース料、貸付利息、割賦代金の減免を行う場合及び災害発生後の取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様に取り扱われます。

(法基通9-4-6の2措通(法)61の4(1) -10の2)

 

3.取引先に対する低利又は無利息による融資

法人が、災害を受けた取引先の復旧過程において、復旧支援を目的として低利又は無利息による融資を行った場合における通常収受すべき利息と実際に収受している利息との差額は、寄附金に該当しないものとされます。

(法基通9-4-6の3)

 

4.自社製品等の被災者に対する提供

法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されます。

(法基通9-4-6の4措通(法)61の4(1) -10の4)

 

5.災害による損失金の繰越し

法人の各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度において生じた欠損金額のうち、棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係るもの(災害損失欠損金額)がある場合には、その事業年度が青色申告書を提出しなかった事業年度であっても、その災害損失欠損金額に相当する金額は、その各事業年度において損金の額に算入されます。

(法人税法第58条第1項)

出所:国税庁HP「災害に関する主な税務上の取扱いについて」

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