国際税務

国際税務

当社では、国際税務サービスを提供しております。

企業活動のグローバル化はもはや常識となり、大企業だけでなく中小企業においても国際的な企業活動を行うことは少なくありません。

国内と国外に渡って取引を行う場合には、国内だけで取引を行う場合に加えて、以下のような税制にも注意を払う必要があります。

また、昨今では、SPCを利用した不動産等の投資スキームにおいても対日投資や対外投資が頻繁に行われており、このような場合にも同様に、これらの税制を検討することが必要です。

・租税条約

租税条約とは、国家間の租税に関する取り決めです。

日本は平成25年11月末現在で60の条約を締結しており、78か国・地域で適用されています。(財務省のHPより。)

租税条約を適用することにより、例えば利子や配当の源泉税が軽減されたり免除されたりするなど優遇される場合があります。

租税条約を適用するためには取引実行前に届出書を提出する必要がある場合がありますので、国際取引を行う場合には事前の検討が必要です。

・恒久的施設(PE)及び国内源泉所得と外国法人の課税

外国法人が日本で活動する場合には、日本に支店や代理人等の恒久的施設(PE)があるかどうかで日本における課税範囲が大きく変わります。

特に大きな違いが生じるのは事業所得で、恒久的施設(PE)がなければ事業所得は日本において課税されません。

また、外国法人の課税対象となる所得は、国内源泉所得として事業所得・不動産賃料・利子配当などに分類されており、恒久的施設(PE)の有無や種類によって、課税対象となる国内源泉所得や課税方法が変わります。

国外から日本に投資する場合などは、恒久的施設(PE)と認定されないかどうかを慎重に検討する必要があります。

※PE=Permanent Establishiment

・移転価格税制

移転価格税制とは、多国間のグループ企業間取引について、取引価格がグループ企業ではない第三者との取引価格(「独立企業間価格」と言います)と異なる場合に、独立企業間価格で取引したと見なして課税する制度です。

例えば日本の本社がミャンマーの製造子会社から製品を仕入れて販売している場合、グループ企業全体でみればいくらで仕入れても利益は変わりません。
しかし、日本とミャンマーのそれぞれで課税される税金を考えると、仕入れ金額が高くなればなるほど、日本での税金は減り、ミャンマーでの税金は増えることになります。

各国にとって税金は国家の利益ですので、仕入れ金額が高すぎれば、日本の課税当局は仕入れが独立企業間価格で行われたものとみなして、仕入れ金額と独立企業間価格との差額部分は費用と認めずに課税します。

移転価格税制による課税を回避するためには、グループ企業間取引における取引価格の算定根拠や決定の経緯を根拠資料として文書化し、グループ企業間取引における取引価格が独立起業間価格であることを課税当局に説明できるようにしておくことが必要です。

このような書類を用意していない場合には、税務調査により一方的に推定課税されてしまう危険があります。

・過少資本税制

過少資本税制とは、国内の法人が、その法人の株式等の50%以上を保有する等の国外の支配株主等(以下、「国外支配株主等」といいます)から資金提供を受ける場合において、借入比率を過大にすることによる租税回避を防止する制度です。

国外支配株主等から資金提供を受ける場合、その方法としては、一般的に出資を受ける方法と借入をする方法がありますが、出資に対する配当は損金算入できない一方で、借入に対する支払利子は損金算入できるため、借入比率を過大にすることにより、税負担を恣意的に軽減することができます。

これを防止するため、国外支配株主等からの出資に対する借入比率が3倍を超える場合、超える部分の借入に対応する支払利子の損金算入は認められません。

・過大支払利子税制

過大支払利子税制とは、国内の法人が、株式等の50%以上を保有し又は保有される等の関連者等(以下、「関連者等」といいます)に利子等を支払う場合において、その利子等の金額が減価償却前・関連者等への利子等支払前利益の50%を超えるときは、その超える部分の金額を損金算入しないとする制度です。

なお、受取側で法人税等の課税対象とならない利子等が対象となりますので、原則として国際取引が対象になります。

この制度と過少資本税制の両制度が対象になる場合には、損金不算入額が大きい方の制度が適用されます。

・タックスヘイブン税制

タックスヘイブン税制とは、軽課税国(タックスヘイブン)に形式的な子会社等を置くことにより税負担を不当に回避することを制限する制度です。

海外には、政策的に税率を低くすることによって企業や富裕層を誘致している国や地域があります。

日本の会社がそのような低税率の国や地域に形式的な子会社や関連会社を置き、そこに利益を留保してしまうと、本来は日本で課税されるべきであった利益に課税できなくなるため、このような形式的子会社等の利益は株主である日本の会社の利益に合算して、日本での課税を受けることとなります。

なお、この制度は「形式的な」子会社や関連会社を軽課税国に置いて、租税回避するような場合を対象としていますので、実質的に事業を行っている等の経済合理性のある子会社や関連会社については、たとえその子会社等が軽課税国にあったとしても、この制度の対象にはなりません。

・外国税額控除

外国税額控除とは、外国で納付した外国税額を日本の法人税から控除する制度です。

外国に支店があるなどにより、日本国内だけでなく国外でも利益がある場合には、国外の利益に対しても日本の法人税が課税されます。

一方で、国外での利益に対しては、外国支店などを設置している国においてもその国で課税を受けます。

このように、国外の利益に対して日本の法人税と外国税が二重課税されてしまうため、これを解消するために外国税額控除制度が設けられています。

 

お問い合わせ
Copyright(c) 2014 マネージポート税理士法人 All Rights Reserved.