自宅に設置した太陽光発電設備による電力の売却収入の税務上の取扱い
再生可能エネルギーへの関心の高まりとともに、自宅に太陽光発電設備の設置をご検討されている方も増えていることでしょう。
本日は、太陽光発電設備の設置に関連する税務上の取扱いについてご説明いたします。
余剰電力の売却収入については、それを事業として行っている場合や、他に事業所得がありその付随業務として行っているような場合には事業所得に該当すると考えられますが、給与所得者が太陽光発電設備を家事用資産として使用し、その余剰電力を売却しているような場合には、雑所得に該当するとされております。
なお、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却すること(全量売電)が可能とされており、給与所得者がこの全量売電を行っている場合の売電収入も、上記と同様に、それが事業として行われている場合を除き、雑所得に該当するとされております。
また、消費税の取扱いですが、国税庁の質疑応答によれば、余剰電力の売却は、会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち、使い切れずに余った場合に当該余剰電力を電力会社に売却しているものであって、これは消費者が生活用資産(非事業用資産)の譲渡を行っているものであることから、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しないとされております。
但し、全量売電の場合には、会社員が電力会社との間で太陽光発電設備により発電した電気の全量を売却する旨の契約を締結し、その発電した電気を生活の用に供することなく数年間にわたって電力会社に売却するものであることから、会社員が反復、継続、独立して行う取引に該当し、消費税の課税対象に該当するものとされております。この場合、開業1年目、2年目は原則、免税事業者に該当すると想定されますが、3年目も売電収入が1,000万円を超えることが無ければ免税事業者に該当すると考えられます。また、初期投資として太陽光発電設備に数百万円かかるため、初年度に課税事業者を選択して還付申告をすることも検討に値しますが、予め詳細にシミュレーションを行うことが必要です。
太陽光発電設備の導入をご検討されている方は、弊社で詳細なシミュレーションを致しますので、お気軽にお問合せ下さい。
【参考】
国税庁 質疑応答「自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」、「会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却」
税務通信 3291号 2013年12月16日