Archive for the ‘税制改正’ Category
配偶者控除の見直しに関する自民税調コメント
日本経済新聞によると、自民党の宮沢洋一税調会長は、平成29年度の税制改正で、専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除の見直しを検討すると表明した。同控除を廃止し、共働き夫婦にも適用する新しい控除を18年1月にも作る案が有力とされている。(電子版 2016/8/30 2:00)
この配偶者控除の廃止は、これまでも断続的に議論がされてきた。例えば、平成24年度の税正改正においても、「女性の活躍による経済社会の活性化」等を背景として、いわゆる専業主婦の103万円の壁を越えて働きやすい社会を実現するために、所得税・個人住民税の配偶者控除の縮小・廃止を含めた見直しが要望されていたが、この際は廃止にはいたらなかった。
配偶者控除が廃止される一方で、新設するとされている新制度の内容は現在のところ公表されていない。今後の動向に注意が必要である。
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平成28年度税制改正により、消費税還付スキームは今後困難に
平成28年度税制改正により、消費税還付スキームの封じ込め措置が図れており、今後は消費税の還付スキームを仕組むことは難しくなりそうです。
1.H22年改正では完全に封じ込められていなかった消費税還付スキーム
かつて、設立初年度に課税事業者を選択し、多額の消費税の還付を受けるスキームが流行しました。これに対して、平成22年度の税制改正で、これらのスキームの封じ込めがなされました。平成22年度の税制改正の内容は、課税事業者を選択し、その後2年間に調整対象固定資産の課税仕入れを行った場合に、3年間は免税事業者になれない、などの内容でございました。ところが、この規制では、下記のようなケースを補足出来ておらず、消費税の還付スキームは有効でした。
① ファンドの設立時に課税事業者を選択し、2年間は休眠させ、3年目に物権を取得して、免税事業者となる場合
② 上期に1,000万円以上の課税売上高or給料の支払を行い、自動的に課税事業者となる場合
2.H28年改正の内容と消費税還付スキーム
今回の平成28年改正により、上記のスキームによる消費税還付は難しくなりました。平成28年度の税制改正の内容は、高額特定資産(税抜1,000万円以上の棚卸資産・固定資産)を取得した場合、その課税期間の初日から3年間は免税または簡易課税の適用が受けられないこととなりました(消法12の4①)。なお、この規定は、高額特定資産を除却・売却したとしても継続して適用されます(消基通1-5-22の2)
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平成28年度税制改正による欠損金の繰越控除等の見直し
平成28年度税制改正により、欠損金の繰越控除等の見直しが図れており、大きく下記のような改正がございました。
1.青色申告書を提出した事業年度の欠損金等の控除限度額の見直し
2.青色申告書を提出した事業年度の欠損金等の繰越期間等の延長時期の見直し
1.青色申告書を提出した事業年度の欠損金等の控除限度額の見直し
中小法人等以外の法人の各事業年度(一定の事実が生じた法人等の一定の事業年度を除きます。)の欠損金及び災害による損失金の繰越控除制度における控除前所得の金額に対する控除限度割合の段階的な引下げ措置について、次表のとおり改正されました(法57①、58①、27改正法附則27②)。
改正前 |
改正後 |
||
事業年度開始日 |
控除限度割合 |
事業年度開始日 |
控除限度割合 |
平成27年4月1日~ 平成29年3月31日 |
65% |
平成27年4月1日~ 平成28年3月31日 |
65% |
平成28年4月1日~ 平成29年3月31日 |
60% |
||
平成29年4月1日~ |
50% |
平成29年4月1日~ 平成30年3月31日 |
55% |
平成30年4月1日~
|
50% |
出典:国税庁HP「平成28年度 法人税関係法令の改正の概要」より
2.青色申告書を提出した事業年度の欠損金等の繰越期間等の延長時期の見直し
欠損金額の繰越期間を9年から10年に延長する措置について、平成30年4月1日以後に開始する事業年度(改正前:平成29年4月1日以後に開始する事業年度)において生ずる欠損金額から適用することとされました(法57①、58①、27改正法附則27①)。
出典:国税庁HP「平成28年度 法人税関係法令の改正の概要」より
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中小企業等経営強化法による固定資産税の減税
中小企業等経営強化法が平成28年7月1日より施行され、中小企業・小規模事業者・中堅企業等に対し、固定資産税の軽減や金融支援等の特例措置が盛り込まれております。
中小企業・小規模事業者等は、人材育成、コスト管理のマネジメントの向上や設備投資等、事業者の経営力を向上させるための取組内容などを記載した事業計画(「経営力向上計画」)を作成します。計画の認定を受けた事業者は、機械及び装置の固定資産税の軽減(資本金1億円以下の会社等を対象、3年間半減)や金融支援等(低利融資、債務保証等)の特例措置を受けることができるものとされており、例えば、下記のような支援措置が設けられております。
1. 生産性を高めるための機械装置を取得した場合、3年間、固定資産税を1/2に軽減
2. 計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援(有志、信用保証など)
また、計画の策定に際しては、認定支援機関(主に商工会議所、商工会、中央会、金融機関、士業等)による計画策定の支援を受けられます。
さらに、手続きの簡素化が図られており、申請書類の簡素化、郵送による送付も可能とされております。
次に、対象となる固定資産は下記の通りである。
1. 中小企業者(※)が経営力向上計画に基づき取得する新規の機械装置(新品)
※ 中小企業者 資本金1億円以下等、大企業の子会社除く
2. 生産性を高める機械装置が対象
※ 既存の設備投資減税(生産性向上設備投資減税)の支援要件(①160万円以上、②生産性1%向上(10年以内に販売開始))を満たした機械装置が対象。なお、既存の生産性向上設備投資減税における要件のうち、最新モデルという要件は、中小企業への配慮から除外している
なお、リースによって調達した機械装置であったとしても、ファイナンスリースである場合には、適用が受けられることとなっている。
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相続した空き家にかかる譲渡所得の3,000万円控除の特例および通達改正
平成28年度の税制改正により、今年4月1日より、一定の要件を満たす空き家の譲渡により生じた譲渡所得につき、3,000万円の控除が認められている。従来より、譲渡所得にかかる3000万円控除の特例はございましたが、当該制度は自己が居住する等の不動産を売却することを前提とした制度でしたが、今回の平成28年度税制改正においては、相続した空き家を譲渡した場合でも対象となります。
特例の対象となる家屋は次の要件を満たすことが必要である。
① 相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること
② 相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったものであること
③ 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く。)であること
④ 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと
(※ 相続した家屋を取り壊して土地のみを譲渡する場合には、取り壊した家屋について相続の時から当該取壊しの時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと、かつ、土地について相続の時から当該譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと)
さらに、今回の特別控除は、自己居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除又は自己居住用財産の買換え等に係る特例措置のいずれかとの併用が可能であり、また、相続財産譲渡時の取得費加算特例と選択適用とされているため、事前に十分なプランニングが必要と考えられる。
なお、平成28年8月2日に国税庁より、平成28年度税制改正に対応した租税特別措置法通達が公表されており、今回の空き家の譲渡にかかる取り扱いについて示されている。
弊社では空き家の譲渡所得にかかる特別控除に関するご相談を承っておりますので、もっと詳しく知りたい方は、↓までお問い合わせください。
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消費税率の10%への引き上げ時期の変更および増税延期に伴う関連制度への対応
平成28年6月に安倍首相は平成29年4月に予定していた消費税率の10%への引き上げを平成31年10月まで、2年半延期することを表明した。
これによる、関係措置に関し、平成28年8月2日に自民党、公明党より「消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置」という文書が公表された。
それによると、消費税の引上げの延期に伴い下記のような対策等も延期されることとなった。
1.消費税の軽減税率制度
消費税の10%への増税とセットで予定されていた軽減税率の適用開始を、10%への増税時期と同じ平成31年10月とする。
2.消費税の転嫁対策
消費税転嫁対策特別措置法の適用期限について、平成33年3月31日まで延長する。
3.住宅ローン減税
住宅ローン減税の適用額は、消費税の増税後に住宅市況の落ち込みなどへの対策として、消費税の増税後に住宅ローン減税の拡充が見込まれていたが、消費税の増税延期とともに、こちらも延期となっている。
4.住宅取得等資金贈与の特例の非課税
住宅取得等資金贈与の特例の非課税額は、消費税の増税後に、非課税額の大幅な増額が予定されていたが、消費税の増税延期とともに、非課税額の増額も延期されている。
参考:平成28年8月2日 自由民主党、公明党「消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置」
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/132828_1.pdf
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クレジットカード納付制度の創設
平成28年度税制改正により、クレジットカードにより国税の納付が出来ることとなった。適用開始は平成29年1月4日から適用される。
なお、地方税では一部の自治体で既にクレジットカードの利用が開始されており、住民税、固定資産税、自動車税、軽自動車税などが対象となっており、クレジットカードの利用に伴うポイントの付与やリボ払いなども利用されている。
※クレジットカードの利用が可能か否かは、対象の自治体にご確認ください
また、国税でもクレジットカードの利用以前より、コンビニ納付が認められており、その異同を下記で確認する。
項目 |
コンビニ納付 |
クレジットカード納付(案) |
上限金額 | 30万円 | 上限なし
※但し、クレジットカード会社の取り扱い上は1,000万円未満に限定 |
納付手続 | コンビニにて、納付書により納付 | WEB画面上で納付情報を入力 |
事務手数料 | 国が負担
(上限は56円/件) |
国が負担
(上限は1~10円/件)
※但し、利用金額に応じて、カード手数料を納税者が負担 |
納付日 | 納税者がコンビニに金銭を交付したときが納付日 | 納税者の依頼により、クレジットカード会社が受託(与信審査了)した日 |
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消費税の課税売上割合の計算 改正によりDESも5%相当額のみ分母算入となります
売掛債権以外の金銭債権を譲渡した場合、従来は譲渡対価の全額が非課税売上として課税売上割合の分母に算入されていました。従って、多額の金銭債権を譲渡した場合、課税売上割合が大きく減少してしまい、納税額が増加するというデメリットがありました。
平成26年度の改正では、平成26年4月1日以後の金銭債権の譲渡については、消費税の課税売上割合の計算上,金銭債権の譲渡対価の5%相当額のみを分母に算入することとされました。この取扱いは、金銭債権の譲渡と整理されているDESも該当します。
事業再生の場面で債権を現物出資するDESは多額になるケースが多く、前述のデメリットも大きくなりがちでしたが、今回の改正でこのデメリットが大きく軽減されています。
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相続財産に係る土地の取得費加算の特例 所得税の申告後に相続税額が確定する場合は、所得税の更正の請求が必要に
Q:
先日相続が発生し、私は土地を相続しました。また、その土地は相続からしばらくして売却しております。
今般、所得税の確定申告を行うのですが、土地の取得費加算の特例を利用して、相続税を土地の取得費として加算したいものの、所得税の確定申告期限後に、相続税の申告を行う予定であり、所得税の確定申告時点では、かかる相続税額は確定しておりません。
このような場合、どのようにすれば宜しいでしょうか。
A:
相続税の確定申告前に所得税の確定申告を行う必要がある場合、相続税額が確定しておらず、土地の取得費の特例が受けられない。この点に配慮し、下記のような通達により手当されていた。
【租税特別措置法関係通達 39-15 所得税の確定申告後に確定する相続税額】
措置法第39条第1項に規定する資産を譲渡した場合において、当該譲渡の日の属する年分の所得税の確定申告書を提出した後に相続税の申告書の提出期限が到来し、当該提出期限内に当該相続税の申告書の提出により相続税額が確定したため、納税者から同項の規定の適用方について申出があり、かつ、同条第3項に規定する書類の提出があったときは、同条第1項の規定を適用することができる。
つまり、一定の手続きを踏めば、所轄税務署長の職権等により同規定の適用を受けることができました。
しかし、この点について、平成26年度税制改正があり、相続税の確定申告前に同特例にかかる所得税の確定申告を行う必要がある場合の取扱いが法令で規定されました。
改正後は、相続税の期限内申告書を提出した日の翌日から2か月以内に更正の請求をすることで、土地等に係る取得費加算の特例を適用することができることとなりました。
そのため、仮に更正の請求期限である2ヵ月を経過してしまうと還付を受けることができなくなるので注意しなければなりません。
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貸手と借手で認識が異なるリース取引の消費税率
Q:
当社は、平成26年3月に営業車両をリース取引で取得しました。当社はこのリース取引をファイナンスリース取引と認識しており、同月中に引き渡しを受けたため、5%の税率により仕入税額控除を行っております。
ところが、平成26年4月分のリース料が消費税率8%で請求されました。リース会社に確認したところ、先方ではこのリース取引をオペレーティングリース取引と認識しているため、平成26年4月分以降は8%の税率が適用されるので、今後は8%でリース料を請求するとのことでした。
当社はすでに5%で仕入税額控除を行っているのですが、平成26年4月分以降のリース料についてどのように取り扱えばよいのでしょうか。
A:
貸し手側の認識に基づく消費税率が適用されるため、平成26年4月分以降のリース料について、御社においても8%の税率で仕入税額控除することとなります。
具体的には、既に仕入税額控除を受けた5%について仕入対価の返還があったものとしたうえで、改めて8%の税率により仕入税額控除することとなります。
なお、貸し手側の認識に基づく消費税率が適用されるため、逆に御社がオペレーティングリース取引と認識し、リース会社がファイナンスリース取引と認識するリース取引がある場合には、平成26年4月分以降のリース料であっても、5%の税率により仕入税額控除することとなります。
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