東証 改正会社法対応で上場規定等を改正
東証 改正会社法対応で上場規定等を改正
東京証券取引所は、本年5月1日施行の「会社法の一部を改正する法律」に対応するため、有価証券上場規定等の一部改正を行いました。主な改正点は以下の2つです。
(1)「特別支配株主の株主等売渡請求」制度の新設に伴う制度整備
(2)独立役員の独立性に関する開示の見直し
(1)「特別支配株主の株主等売渡請求」制度の新設に伴う制度整備
「特別支配株主の株主等売渡請求」とは、「株式会社の総株主の決議権90%以上を有する当該株式会社以外の者」等である特別支配株主が、他の株主に対して株式全部を売り渡すよう請求出来る制度であり、キャッシュ・アウト(現金を対価として少数株主を締め出す事)の新制度として創設されました。これまでのキャッシュ・アウトは、時間とコストがかかる、というデメリットがありましたが、新しく創設されることで、迅速に実施が可能となりました。
東証は、この制度に対応するため、以下の基準を追加しました。
① 適時開示事由の追加
特別支配株主の株式等売渡請求に関し、以下の場合に 適時開示を求めることとしました。
・ 株主等売渡請求に係る承認または、不承認を行うことについて決定した場合。
・ 別支配株主が当該上場会社に係る株式等売渡請求を行うことについての決定をした事実又は当該特別支配株主が当該決定に係る株式等売渡請求を行わないことを決定した事実が発生した場合。
② 上場廃止基準の追加
特別支配株主が上場会社の当該銘柄に係る株主の全部を取得する場合には、その上場を廃止する事としました。
(2) 独立役員の独立性に関する開示の見直し
「10年間が経過すれば会社との関係が希薄となり社外役員の機能を実効的に果たすことが期待できるとして社外性を認める」こととした会社法改正法を踏まえ、東証は、10年以上前に上場会社又はその子会社の業務執行者であった者を、その独立性を認め独立役員に指定出来ることとしました。しかし、状況によっては、投資家がその独立性を懸念する場合も考えられるため、投資家の判断に資するよう、10年以上前に上場会社またはその子会社の業務執行者であったものを独立役員に指定する場合は、その旨、およびその概要を開示するよう求めることとしました。
なお、以上の改正は、会社法改正法の施行の日から実施されます。
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